Thursday, December 30, 2004

夢見る、負けず嫌い

16歳。

中学時代までの私は、どちらかといえば頭でっかちで感情をあまり表に出さないタイプだった。好きだったアマチュア無線に自分を閉じ込めていた。そんな自分を変えたくて、高校でテニス部に入部した。それから自分を思い切って表現できるようになった。スポーツは自分のやってきたことが勝ち負けという結果ではっきり出て、言い訳がきかない。負けた時は、なぜ負けたのかを考えて絶対克服してやるぞってガムシャラに練習した。苦手だったバックハンドもいつの間にか得意になっていた。できないことも、理由を見つけて解決すれば必ずできるようになる。テニスで学んだことは、今の仕事にも生きている。



24歳。

大学は工学部。電気電子を専攻して、大学院では風力発電の研究をしていた。テーマとしては非常に面白かったが、それを仕事にすることには疑問を感じていた。教授の推薦で、あるメーカーを受けてみたもののどうもしっくりこない。同じインフラに関わる仕事なら、研究室に閉じこもってやるのではなく、ヒューマンなコミュニケーションを通して実践したかった。どうせ働くなら社会のフロントに立ち、世界を股にかけるような大きな仕事をしてみたいとも思っていた。悩んでいた時、就職情報誌で見つけたのがアクセンチュアだった。コンサルティングという仕事については何もわからなかったけれど、自分の想いを実現できそうな気がした。目の前にいくつかの選択肢がある時、私は自分がより前向きに生きられそうな方を選ぶ。



28歳。

入社4年目、企画系のプロジェクトに初めて携わった。それまで担当していたシステム系のプロジェクトと比較すると、与えられる課題も解決方法もまったく違っていた。戸惑いの中で参加した最初のプロジェクトは、自分としては明らかに失敗だった。自分なりに一生懸命やったものの期待に添うことができなかった。アクセンチュアは積極的な失敗には寛容な会社だと思う。でも、同じことで二度の失敗は許されない。自分は企画系には向いていない。リスクだけを考えれば、そう決断を下してそのプロジェクトを離れることもできなくはなかったが、それだけはイヤだった。もしあの時に逃げていたら、今の仕事との出会いはなかったと思う。



32歳。

今、ある業界に今までにないビジネスの仕組みを導入するプロジェクトを担当している。海外での様々なプロジェクト経験や業界の方々とのお付き合いを通して「自分の頭の中に思い描いていたこと」と、社会の環境がピタッと合ってスタートしたプロジェクト。業界全体の旗振りのような役割をしているので大きな責任とプレッシャーを感じている。でも、実現したら業界のビジネスそのものを大きく変革することができる。アクセンチュアでやりたいと思っていたことに、ようやく辿り着けた。このプロジェクトを死んでもものにしたい。コンサルタントという職業の面白さと醍醐味は、夢を語れるところにある。一プレイヤーでは語れない夢も、コンサルタントなら語れる。だから、コンサルタントを目指す人には夢を語って欲しい。そつのない答えばかりじゃつまらないよ。

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