Friday, January 18, 2008

5W2Hを明確にして報告書を書く

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20080117/291259/?P=2

 あるオフショアプロジェクトで,オンサイトの外国人IT技術者に,「上司の田中さんにその内容を確認しましたか?」と,打ち合わせの中で聞いたときのことです。その技術者は海外ソフト会社に入社して経験2年足らずの若い人材でした。その質問に対して,口頭で一言だけ「確認しました!」との回答が返ってきました。筆者はこれにびっくりし,報告する訓練を受けていない,と感じました。

 その後,心の平静を保ちながら,次のように会話を進めていきました。

筆者:誰が確認しましたか?
外国人技術者:私が確認しました。

筆者:誰と確認しましたか?
外国人技術者:佐藤さんに確認しました。

筆者:どこで確認しましたか?
外国人技術者:新宿のオフィスで確認しました。

筆者:何を確認したのですか?
外国人技術者:Bシステムの顧客画面仕様変更について確認しました。

筆者:それはいつのことですか?
外国人技術者:3日前,今月の15日でした。

筆者:15日のいつ頃でしたか?
外国人技術者:15日午後3時からでした。

筆者:なぜ確認したのですか?
外国人技術者:この仕様変更の内容がはっきりしないので,これでよいかどうか確認したかったので,確認しました。

筆者:どうやって確認しましたか?
外国人技術者:資料を出してそれをベースに紙に書きながら確認しました。

筆者:どのくらいの時間をかけて確認したのですか?
外国人技術者:約2時間のFace-to-faceの打合せで確認しました。

筆者:佐藤さんは理解し合意しましたか?
外国人技術者:はい,OKしました。

筆者:それでは,これまで私と話した内容を議事録に書いて,佐藤さんと再度確認して下さい。

 「確認する」という言葉の裏には,これだけの暗黙知が潜んでいることがわかります。最初の話を聞いたとき,背後に潜んでいる内容を確認しながら分析する手法がとても大事と思いました。

 上記の打ち合わせの終わりに,「今のお話の中で,いつ,どこで,誰と,何を,どうして,どのように,どのくらいというのが明確になりましたね。それをまとめて報告してください」と,外国人の技術者にお願いしました。これで報告書の要領がわかったのか,次からは大きく改善されました。5W2Hの説明は重要です。

 よく報告書は言語の問題という人がいますが,筆者は,言語の問題以前にどの視点に立脚して,どのように書くかの指導育成が重要だと思っています。そして言語の話し方,書き方の教育が大切です。

上流工程は、お客様が主体となって進めるべき

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20080111/290946/
 どういうシステムを作りたいのかを決定する上流工程は、お客様が主体となって進めるべきです。その点をベンダー側はもっときちんと訴えていく必要があります。


契約についても、少なくとも2段階に分けてほしいと考えています。システムの設計段階と開発・実装段階です。設計段階はコンサルティングに類似している部分ですから、工数×単価のような契約で行う。開発段階からは請負契約でやっていく

プログラマの地位をもっと高めるべき
 84万人のうち、大半はプログラマです。生産性を上げればそれだけ評価が上がるようにすれば、プログラマにとってもやりがいのある楽しい職場になるのではないでしょうか。

 日本ではSEが上で、プログラマは下というイメージがあります。プログラマというと、単純労働というイメージでとらえられている。プログラマは重要な職種なので言葉の使い方を見直して、地位も高めていく必要があります。システムは、最後はプログラマが作るのですから。