http://www.recruit-ms.co.jp/issue/feature/kaihatsu/200303/01.html
最近、360度評価の導入を検討される企業が増えてきています。
弊社が昨年645社に対して行った調査によると、多面評価(360度評価)制度を実施している企業で、改訂の予定がない企業は11.6%でしたが、すでに実施していて3年以内に改訂の予定がある企業が9.8%、現在実施していないが今後3年以内に実施予定がある企業が19.2%に上りました。
しかし、昨今の新聞や経済誌では、360度評価を導入した企業で、部下に迎合するようになった上司が発生したり、同僚同士がお互いに無難な評価をつけるようになるなど、望ましくない事例が紹介されています。そうならないためには何が必要なのでしょうか?
360度評価制度を効果的に活用するポイントや、活用事例を紹介していきます。
1.360度評価で何を解決するのか
「部下が上司を逆査定」というフレーズにみられる一面的な見方ではなく、様々な効果をねらって導入されているようです。米国では、『顧客満足』という言葉を軸にして360度評価が普及してきた経緯があり、近年では、注目されている『ミッション・ビジョン経営』、あるいは『バリュー経営』という流れのなかで、企業価値や行動規範を明確にし社員をリードしていく手法として、早いスピードで普及しています。
では、人事評価の手法としての360度評価は、どんな課題解決につながるのでしょうか?
■組織業績向上
周囲の人が相互に評価し合うというシステムであり、組織に緊張感が生まれます。緊張感にも程度がありますが、“見られている”という意識は望ましい行動への動因として働きます。
複眼的、多面的に人材を評価することで、その人材の能力を総合的に把握することが可能になり、適所適材を配置するための情報(職務と人材のミスマッチ状況)を得ることができます。
本人にフィードバックすることで「気づき」が生まれ行動変革へつながります。
■社員のモチベーションの向上
“日頃一緒にいない上司から評価されるよりも周囲の一緒に仕事をしている人に評価される方が納得がいく” という意見に代表されるように、評価の納得性の向上につながります。
周囲が評価することによって、上司ひとりが評価する以上に“承認欲求(認められたい)”の向上につながります。
日頃評価される側が評価する側に立つ、あるいは評価したいがその術がなかった人々が評価に参画することで、「組織活性化への行使権」を持つことができるという意識を醸成します。
■望ましい組織文化の形成
評価項目として期待される姿勢や行動、規範などを社員に提示することで、常に会社が期待する方向を明示することになります。つまり、社員を会社が期待する方向にリードしていくことそのものといえます。
多くの社員が期待される社員像を認識する機会を創ることになります。つまり、「絵に描いた餅」にならぬように意識づけのきっかけになるわけです。
結果をフィードバックすることで、上司部下のコミュニケーション機会の増大につながり能力開発の機会を提供することができます。
評価し合うことで組織内外のコミュニケーションの量と質の向上につながります。
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